REIONレポート
 Vol.5 – Fit & GO大田長原店

REIONの導入事例をご紹介する国内レポート第5弾は、東京都大田区にある「Fit & GO」。ファミリーマートが新たに始めたフィットネスジムの1号店です。ジム内でREIONをどのように活用されているのか、新規事業開発本部スポーツ・メディカル事業部付部長の茂 朋子さんにうかがいました。

ファミリーマートの2階にオープンした
24時間営業のフィットネスジム

 東京都大田区、東急池上線長原駅から昔ながらの商店街「ぱすてる長原」を3分ほど歩くと、ファミリーマートの2階に「Fit & GO大田長原店」が見えてきます。
 Fit & GOは、ファミリーマートが2018年2月に始めた24時間営業ジムの1号店。身近なコンビニエンスストアのように、日常にフィットネスを気軽に取り入れて健康的な生活を送れるよう、初心者から上級者まで、さまざまなお客様のニーズに応える快適な運動空間です。
 同プロジェクトを率いる茂さんによれば、現在国内には24時間営業のジムは600店舗ほどあり、安心感や親近感からコンビニに近い立地を売りにしているジムが多いのだそうです。
「とはいえ、日本でジムに通っている人は全人口の3%ほど。20%近い欧米に比べればまだまだ少ないです。とくに若い女性の24時間ジム利用率は低いので、開拓の余地があると思いました」
 確かにジムは“わざわざ行く場所”でハードルが高く、続かない人が多いのも事実。そこでFit & GOでは、ファミリーマートの2階という利点だけではなく、サービスを充実させることによって差別化を図り、顧客獲得をめざしているのだそうです。

香りやBGMにこだわり
心地よい空間を追求

 Fit & GOのエントランスに入ると、爽やかな香りに包まれます。これはこだわりのサービスの一つで、”Wake Up”と名付けられたオリジナルアロマ。ストレッチエリアの除菌スプレーにも配合され、統一感のある空間演出が徹底されています。
 ほかにもオリジナル選曲のBGM、広々としたシャワールームやロッカールーム、ドリンクのベンダー、専用アプリなど、きめ細かいサービスが随所に。スタッフのホスピタリティも徹底し、予約制でパーソナルトレーナーによる指導も行っています。入退館やロッカーの開閉がスムーズにできるリストバンド型IC会員証を導入しており、セキュリティも万全です。
「24時間ジムはサービスをそぎ落として会費を抑える傾向にありますが、日本のお客様は知らず知らずのうちにおもてなしを求めます。当店の月会費は相場より若干上ですが、その数百円の差の中でいかに満足していただけるサービスを提供できるか、工夫のしがいがあります」
 想定している主なターゲットは、20〜40代の男女。オープンから半年ほど経った時点では、コンビニ利用率とリンクするように20代、30代、40代の順で会員数が伸びているといいます。そして、24時間ジムでは2割弱にとどまるのが一般的な女性会員数が、Fit & GOの場合は4割にのぼり、きめ細かいサービスが奏功しているようです。

欧米の”Cool Towel”を参考に
「おしぼり会員」をスタート

 数あるサービスのひとつに、「おしぼり会員」(850円/月)があります。特注のロックを付けたREIONのブラックLサイズがロッカールームに設置され、オプション会員の方だけが冷えたおしぼりを自由に使えます。
 茂さんは、海外のジムで壁に冷温庫が埋め込まれたcool/hot towelのシステムを見かけ、おしぼりを採用しようと考えたそうです。
「おしぼり庫もいろいろと比較検討しましたが、ここまでデザインが良いものは他になかったのでREIONに即決しました。意外と季節に関わらず冷も温もニーズがあるので、Sサイズもあると両方ご提供できていいですね。運動後に温かいタオルを使いたい女性が多いんですよ」
 おしぼりの色はサロンのような高級感のある「プレミアムショコラ」をレンタル使用中。「ラルム」のユーカリを庫内にセットして香りも付けています。
 販促キャンペーンとして期間限定でジムエリアにもREIONを1台設置したところ、お客様からご好評だったそう。運動後だけではなくトレーニング中にも冷たいおしぼりを使うと快適、という使用感が広まりつつあるようです。
「ただ、日本ではおしぼりは無料で出てくる認識が根強いので、有料サービスとして納得されにくいという課題も。ジムでは“クール/ホットタオル”と呼べば印象が変わるかもしれません」

毎日通いたくなる快適さと
安心感ある拠点をめざして

 REIONもブラックを導入していただいているように、Fit & GOではトレーニングマシンから小さな備品に至るまで、ブランドカラーのブルー、ブラック、グレーに統一されています。
「少しユニークな試みも一緒にチャレンジしてくださるメーカーさんはありがたいですね。ロッカーと自動販売機は別の会社ですが、前面はホワイト、側面はピアノブラックという色に合わせていただきました。お客様にとって、一つひとつ言葉にならなくてもトータルで好印象を抱いていただき、毎日通いたい快適さや安心感につながっていけばと思います」
 今後は、24時間営業のジムでは珍しいレッスンプログラムの実施や、地域に根付いたウォーキングイベントなども企画し、差別化を図っていきたいと茂さんはおっしゃいます。
「そして、1階のファミリーマートとの相互作用も視野に入れながら、健康や暮らしに関する地域の拠点になっていけたらと考えています」
 サービスの面でも、ここ1号店でのトライアルの成果がFit & GOの展開に生かされていくことになるのでしょう。REIONもその一端を、今後もサポートしていきます。

Fit & GO大田長原店

東京都大田区上池台1-43-2

2018年8月取材