REIONレポート
 Vol.6 – 京王プラザホテル

REIONの導入事例をご紹介する国内レポート第6弾は、東京・西新宿にある「京王プラザホテル」。約半世紀にわたり国内外からのお客様を最上級のおもてなしで迎えている老舗高級ホテルです。ホテル内でREIONやおしぼりをどのようにご活用いただいているのか、ゲストリレーションズ支配人の酒井仁さん、コンシェルジュの吉田圭佑さんにうかがいました。

日本初の超高層ホテルとして誕生
半世紀に渡り業界を牽引

 東京・新宿駅西口。さかのぼること約50年、広大な浄水場跡地の再開発がスタートしたものの、高い建物はまだほとんどなかった1971年。日本初の超高層ホテルとして誕生したのが京王プラザホテルでした。その後、追随するように高層ビルが建設され、現在の西新宿の姿へと至っています。
 チャペル、日本酒バー、インターネット無料サービスなど、いまでこそ他のホテルにもありますが、実はすべて京王プラザホテルが始めたもの。これまで「日本初」を数多く生み出し、業界を牽引し続けてきました。
 そして2016年、最上級のクラブフロア「プレミアグラン」をオープン。スイートルームを含む35〜41階の167室を改装し、高級感と快適性を重視したハイグレードな対応力で国内外からお客様を迎えています。
 同時に45階にはクラブラウンジを開設。2005年より設置していた3階のプレミアカウンターと共に、プレミアグランに宿泊されるお客様のチェックイン/アウトの手続きや各種案内などを行っています。いずれでも、お客様をお迎えする際におしぼりを提供。セキュリティの都合上、写真は載せられませんが、バックヤードにはREIONが設置されています。

一流の設えとサービスが行き届いた
ラウンジとカウンターにREIONを導入

 「East meets West(東西の融合)」をテーマにしたクラブラウンジは、都内最大級の広さで、英国のGAデザインインターナショナルが内装を担当。染めものや和紙を用いたアート作品や日本古来の調度品が随所に配され、さながら日本庭園のような空間です。多様な好みやニーズを満たすべく、ダイニングやライブラリー、個室など6つのゾーンに分かれているのも特徴的。7〜10時(土日祝〜11:00)の朝食、14〜16時のティータイム、17〜19時のバータイム、いつ訪れても違った表情を楽しむことができます。
「最近は、朝食をとりながらビジネスミーティングをされる方が増えています」と教えてくれるのは、コンシェルジュの吉田圭佑さん。平日は海外からのお客様が大半で、週末は日本の方が多いのだとか。ビジネスや旅行など目的はさまざまながら、ハイクラスのサービスを受け慣れている方が多いといいます。
 上質さを知るお客様の来訪を見越して、「プレミアグランの構想段階から、他にないサービスを検討していた」と振り返るのはゲストリレーション支配人の酒井仁さん。おもてなしを模索するなか、当時の担当者の方が展示会でFSXのてぬぐいおしぼりに目を留められ、おしぼりとREIONが導入されることになりました。

ラウンジではお茶とともに
てぬぐいおしぼりを提供

 エントランスに近い3階のプレミアカウンターでは、空気は通すものの水分は通さないという特殊加工を施したヒノキのトレーにのせてタオルおしぼりを提供。気候によってREIONで保温/保冷し、ほのかにヒノキの香りが漂うおしぼりは、お客様に喜ばれるといいます。
 また45階のクラブラウンジではチェックイン時に、季節のお茶とともに伊勢木綿のてぬぐいおしぼり(※)をご提供。ラウンジの壁のデザインを模して藍で染め抜いた格子柄で、銀製トレーに合うようサイズを調整した特注品です。
「客室のリネンやアメニティもそうですが、直接肌に触れるものだからこそ、お客様に私どものこだわりが伝わるのではないでしょうか」
 酒井支配人が話すように、伊勢木綿は1社の織元が現存するのみとなった貴重な素材で、洗うたびに綿に戻るようにふんわりとした風合いになっていくのが特徴。お客様のなかには質感を気に入られ、ラウンジを訪れるたびにご所望される方、購入したいとおっしゃる方があるといいます。
 てぬぐいおしぼりの使用量は、平日50〜60枚、休日100〜130枚程度で、FSXが回収・メンテナンスを担っています。てぬぐいは染物のため、洗濯や消毒に高度な技術が必要。特殊な抗菌加工を施し、1枚ずつ巻いた状態で袋に入れてデリバリーしています。
「チェックイン/アウトで混み合う時間帯はできるだけ早く温めたり冷やしたりしたいので、REIONの初動の速さに助けられています」(吉田さん)
(※てぬぐいおしぼり
http://www.fsx.co.jp/pickup/pickup_post0004/)

基本的なおもてなしを徹底し
伝統と上質さを継承していく

 「おしぼりとお茶のサービスはお客様とお話をはじめるきっかけになっている」と吉田さんは話します。観光の相談に発展することや、コンシェルジュの名前を覚えてくださることもあるのだとか。そうしてお客様と交わした会話の内容はデータ化し、スタッフ全員で共有。サービスの向上に役立てているといいます。
また、酒井支配人によれば、チェックアウト/インで立て込んでいる高稼働日に、ラウンジにいらした滞在中のお客様から「今日は忙しそうだったね、おしぼりがなくて残念だったよ」というお声をいただくことがあるそうです。
 「ご提供した際には特別にご感想をいただくことはあまりないのですが、『ないと寂しい』。それは、おしぼりやお茶などを含めてプレミアグランの価値であるとお客様が認識・評価してくださっている証拠だと感じます」
 京王プラザホテルにとって、2020年は東京オリンピック、2021年には開業50周年を迎えます。大きなイベントが続くなか、どのようなおもてなしを実践されるのでしょうか。酒井支配人は最後にこう話してくれました。
「私どもが大切にしているのは、お客様のお顔とお名前を覚えて接するといった、ごく基本的なこと。そうした心を込めたおもてなしを支えるツールは大切なパートナーですし、上質さにこだわっていきたいです。奇をてらうことなく、これまで通りのサービスを地道に提供していくことこそが、伝統の継承とクオリティの維持につながっていくと信じています」

ゲストリレーションズ支配人 酒井仁さん
コンシェルジュ 吉田圭祐さん